真壁家が、婆ちゃん所有のおんぼろ屋敷に越してきたとき、扉を開けた光に驚いてザザーッと天井裏へ逃げた群れが「まっくろくろすけ」ですよね。
その名の通り真っ黒で、クリッとしたまん丸の目が可愛らしいヤツです。
いつもは、風船やシャボン玉みたくふわっふわっしている感じですが、一度誰かに見つかりそうになると逃げ足だけはすばしっこいです。
メイも追っかけていましたが、あの場合、きっと私も同じように捕まえに行くなあと思って見てました。
そんな、ちょっと目を引くまっくろくろすけについて迫ってみます。
まっくろくろすけに鳴き声はあるの?
鳴き声というのか、まっくろくろすけはなんとも甲高い可愛らしい声で何か言っていますよね。
人によって聞こえ方は違うようで、「キャッキャッ」とか、「ワキャ」や「アワッ」、見つかって逃げるという意味も込めて「退却!」というものもあります。
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でも、いずれにしても小動物をイメージするような声なことは確かで、見た目の印象とも相まって、ペットにしたくなるようなキャラクターです。
この声は、実はアフリカのピグミー族が音楽で発する声の、「あ」の音を集めて作ったものなのだそうです。
実際「あ」がどれかは分かりませんが、ピグミー族の音楽で奏でられる声は幻想的です。
雰囲気としては、まっくろくろすけが風に乗って飛び立って行くときに流れる曲のようですから、そういったところも関連があるのかもしれません。
まっくろくろすけが引っ越しの時の音は何て言ってる?
その、まっくろくろすけが風に乗って飛び立っていくにあたって、何やら話し合いをしますよね。
婆ちゃんが言っていたとおり、天井裏で「引っ越しの相談ぶってる」ようですが、内容はどんな感じなのでしょうか。
お家のおんぼろ具合から察するに、「ずっと人間に見つからずにいれた場所だったのになぁ」とか、ボヤいてもいたかもしれませんね。
「人間たちがここに住むみたいだから、引っ越さなくちゃだぞ」とかいう感じになって。
「今晩風が吹くから、それに乗って移動するぞ」などとコソコソっと話していたのかもしれませんね。
それこそ、ずっと「退却 退却 タイキャク タイキャク」と言っていたのかも。
夜、一斉に飛び立って、煙のように風に乗りながらクスノキをかすめていくシーンは、なんとも不思議な綺麗さがあって印象深くもあります。
まっくろくろすけの正体は?
そんな不思議なまっくろくろすけの正体はというと、婆ちゃんが教えてくれたとおり「ススワタリ」というものです。
家中をススだらけにしてしまう、可愛らしいお化けで、ニコニコしていれば悪さはしないし、いつの間にかいなくなってしまうのだそう。
怖くもなんともない、空き家を間借りする小さいお化けということですね。
では、どこから「まっくろくろすけ」という呼び名になったかとたどってみると、お父さんがきっかけでした。
その見た目もあるでしょうが、そもそもはサツキから何かいると聞いたお父さんが「それは、絵本に出ていたまっくろくろすけだ」と言い始めたのです。
お父さん曰くその絵本では、「明るいところから急に暗いところに入ると、目がくらんででるもの」となっているようです。
そうなってくると、まっくろくろすけという本名を持つお化けは別にいて、姿形がススワタリととても似ているということですね。
空き家には、いたずら好きのたくさんの可愛らしいお化けが住んでいるということですね。
まっくろくろすけは「千と千尋」にも出演していた!
ジブリではよくあるのですが、隠れキャラ的に、ひとつのジブリキャラが他のジブリ作品に出演するということがあります。
「まっくろくろすけ」もそのような感じで、「千と千尋の神隠し」で釜爺の子分のような存在として出演しています。
ここでは、油屋の釜に火をたくための石炭を投げ込む仕事をしていて、魔法をかけられているため湯婆婆にこき使われているススです。
とはいえ厳密に言うとここに出てくるススは、まっくろくろすけによく似た別の妖怪です。
なんと言ってもまず、物を持ち運べるひょろ長い手足があります。
しかも意思があり、仕事を覚えるという学習能力もあります。
ふわっふわっと浮いて、ザザーっと逃げるような動きのタイプのススとは少し異なります。
なので、おそらくススワタリの中にも色々種類があるのだとうと想像できます。
トトロのものが「空き家ススワタリ」で、千と千尋のものを「釜ススワタリ」と、安易ではありますが命名してみました。
まとめ
まっくろくろすけは昔から人気があるんですが、出演シーンというと、実際のところ最初のちょこっとしかないんですよね。
でもたわいも無い、見つかってザザーっと逃げるところや、メイにパチンッと捕られてしまうところなど、ものすごく印象深いものです。
まっくろくろすけってある意味、トトロの世界が見えるか見えないかを試すような門番的な役割ですよね。
となれば、そんなたわいない状況を印象深く感じたのは、すでに自分もトトロの世界の入り口に立っていたからなのかもしれませんね。
そして、まっくろくろすけが夜一斉に飛び立つことで、トトロの世界の扉が開いたことを意味するといったイメージでしょうか。
そう考えると、そこで流れる幻想的な曲が妙に懐かしく引き込まれて心がザワつくのは、トトロの世界に誘われているからなのかもしれないですね。
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