海外でもファンが多いジブリ映画ですが、中でも「耳をすませば」は人気が高いようです。
日本やアメリカは除きますが、ネットフリックスによる190ヵ国への配信もスタートしており、ますます人気も拡大していくものと想定できます。
そもそもこの物語は、中学生の雫と天沢聖司くんの爽やかで甘酸っぱい青春ラブストーリーです。
観ている側も胸がキュンとするような内容となっていて、自分の青春時代をふっと思い出させてくれます。
そういったところも、国は違えど受け入れられる部分なのかなと想像してしまいますが。
海外のファンは実際はどのような感想を持っているのか、また高評価を得る理由などについても迫ってみます。
「耳をすませば」の海外の反応は?
海外のファンの反応としてネットに上がっているコメントを大きく分けると、4つのポイントにまとめられます。
一つ目は、心温まる美しい映画だということ。
二つ目は、学生時代を思い出す懐かしさがあること。
三つ目は、東京の日常の中にある普通の学生さんというリアルさがあること。
そして四つ目は、日本の文化や景色が見えること。
海外のファンは、これらのことについて魅力を感じているようです。
中でも、三つ目と四つ目に上げた日本の学生、文化や景色を取り上げるとは、外国の方たちらしい着眼点ですよね。
日本の普段の何気ないものも、他から見ると日本らしい素敵なものとして見えているようです。
また、一つ目と二つ目については、この映画がきっかけとなって、自分のこれまでの歩みを振り返り感慨深い思いに包まれたことを伝えてくれています。
ここに関しては国内外問わず共通のようで、自分の学生時代を重ね合わせ思いを巡らせるようですね。
等身大の感覚を持つキャラクターたちは見る側を引きつけ、実際の青春期の話でも聞いているかのような錯覚を抱かせてくれるのかもしれません。
このようなコメントを見るだけでも、海外の方たちにいかに人気で受け入れられているかが伝わってくるようです。
「耳をすませば」は中国や韓国でも大人気⁉︎
そんな海外での人気は、なにもアメリカやヨーロッパに限ったことではありません。
実は、中国や韓国でも大変人気があるのです。
そもそも中国や韓国といえば、日本との歴史的背景から戦争関係のものや政治に絡む内容のものは、たとえアニメであってもあまり評価されません。
ですから、同じジブリであっても「火垂るの墓」や「風立ちぬ」などは、賛否あり高評価には至りませんでした。
そんな中にあって「耳をすませば」の誰もが通る青春期というかけがえのない時代の物語は、すんなり入ってくるものがあったのでしょう。
中国「光明網」の記事では、テーマ曲になぞらえ、雫や天沢くんの中に人生の「道」や思い出の「道」をしっかり描いていることを称賛するコメントを掲げています。
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と同時に、タイトルになぞらえては、生活の「音」が聞こえるような素朴さや現実味への評価もコメントしています。
韓国においては、物語の純粋さや青春期の純粋さといったところに共感が集まり、高評価となっているようです。
こういったかけがえのないものへの想いは、戦争や政治といった大きな壁でさえ取り払ってしまうほどキラキラしているのですね。
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「耳をすませば」はなぜそんなに海外で人気があるのか?
「耳をすませば」が海外で人気な理由は、ここまでの反応や評価を見ているとなんとなく伝わったかもしれません。
あえて言葉にするならひとつには、人生で一度しか通れない貴重な10代という時期がテーマとなっているからといえます。
「夢を持つとは?」「夢に進んでいくことの意味とは?」「人を好きになるってどういうこと?」「学校の勉強は何の役に立つ?」などなど、たくさんの疑問や取り留めのない思いというのは、万国共通の10代における普遍的問題です。
そこにグッと切り込んだ「耳をすませば」には、年を経て見ても感慨深いものがあり、またちょうどその世代の若者にとってはヒントとなる内容がたくさんあるのです。
そこが、国や文化の違いに関わらず多くの共感を集めているところですね。
つまり海外の方たちにも、自分の方向性や感情の根本などを見つめられる映画として受け入れられているのです。
そしてもうひとつ、美しい日本の日常の風景や、そこに暮らす若者や学生、文化や空気感を擬似体験できるような感じなところも、人気の理由となっています。
各キャラクターのリアルな描写と現代日本の日常的な光景が、映画の世界感に入り込みやすく身近なことのように感じさせてくれているようです。
まとめ
たくさんあるジブリ作品の中でも「耳をすませば」は、海外のファンからも人気があり高評価を得ています。
これも、ジブリ特有の細かくリアルな描写の賜物といえるのではないでしょうか。
海外の方たちは、この映画を通じて日本を眺め、日本文化を眺めそして景色を眺めているのだと思います。
そうやって、違和感のない現実味を帯びた世界観にスッと入り込み、擬似体験するような感じで自分を重ねていくのです。
その中で青春期を振り返り、懐かしい思い出の記憶とともに人生や心のあり方なども考えているようです。
ですから、海外の方たちのコメントはとても詩的で、思想的な言葉で溢れていました。
そして、たくさんの人にも見てほしいと伝えてくれていました。
国や文化が違っていても、同じように青春期を乗り越えて大人になっていくことには変わりはないと改めて感じられます。
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