「千と千尋の神隠し」には、不思議なキャラクターがたくさん登場しますが、その中でも印象深いひとりに「坊」がいます。
「坊」は、油屋の最上階で暮らしていて、金太郎みたいな赤いよだれかけを着けた赤ちゃんです。
二頭身でぷくぷくしているのに、体は大きく大人ほどあり、わがままなのに、憎めない感じもある、どこかアンバランスなキャラクターです。
千尋とも大きく関わってくる、「坊」の実態について調べてみました。
坊の身長体重はずばり…!
赤ちゃんの割りに、かなり立派でふくよかな体を持っている「坊」ですが、身長と体重はというと、ずばり、最低でも身長180cm、体重140㎏あるようです。
ただ、キャラクター紹介にも実寸は載っていないため、千尋の身長を基準として計算してみるしかありません。
千尋と湯婆婆の身長差、そして、坊と湯婆婆の身長差と考えて推測しています。
そして、あのぷっくりした体型から、お相撲さんくらいのタイプを想像すると、体重もおおよその予想がついたというわけです。
とはいえ、赤ちゃんなのに馬鹿でかいですから、本当に赤ちゃんなのか、どうやって生まれてきたのか、どんどん興味が湧いてしまいます。
坊って一体何歳なの?
坊の第一印象の年齢というと、0~1歳児といったところで、まだ言葉も喋れない、ザ・赤ちゃんの年齢です。
でも、本当の年齢は5歳~6歳、ひょっとしたら、もっと上の年齢ということまで考えられるのです。
そもそも、体格が大きいことで、そんな予測にもなるのですが、千尋が初めて坊に会った時、普通に言葉を喋れていることで確信になります。
「おまえ病気うつしにきたんだな」可愛い声だけど真剣な表情で、急に話しかけてくるところは印象的です。
しかも、とっさに、湯婆婆から千尋をかくまうという機転がきいたり、知恵を持ち合わせていたりしています。
この辺から考えても、恰好は赤ちゃんだけど、実年齢は最低でも5・6歳はあるのではないかという予測になるわけです。
つまり、湯婆婆の前だけ、泣きわめいて「んん~」「ああ~」しか喋らない、赤ちゃんのフリをしている、やたら大人びた子どもということになります。
坊の両親は一体誰?
そんな不思議な坊の親はというと、母親はまぎれもなく湯婆婆です。
見た目の年齢差や「ばーば」という呼び方など、気になる部分は多く、「湯婆婆はおばあちゃん説」もあるようですが、そこは母親説が有力なようです!
https://ciatr.jp/topics/168370
問題は父親で、色々な説が飛び交っています。
例えば、油屋に来ていた神様という説や、湯婆婆が魔法で造った説、また年齢的に釣り合いそうということだけで釜爺だとする説などもあります。
でも、有力なものと言われている説として二つあって、まず一つは、外の世界の男が父親だとするものです。
それは、その男が湯婆婆を置いて外の世界に戻ってしまったため、坊も同じように外の世界に行ってしまわないように、部屋から出さないでいるのが証拠だとするものです。
たしかに、子どもを大切に思う気持ちは分かりますが、外に出させないというのは極端すぎますもんね。
父親と同じように、自分を置いてどこかに行かないようにということなら納得できますから、この説の有力さが伝わります。
そして、それに対抗する説として、もうひとつ出ているのが、千尋が偶然出くわす「おしら様」が父親とする説です。
なぜなら、最上階に続くエレベーターに、慣れた感じで乗り込んでいくのですが、それは、坊に頻繁に会いに行っているのではと想定できるからです。
そんなに会いにいく関係や、意味として考えられるのは、親子ということです。
そう思って見ると、ふくよかな雰囲気とかも似ているように思えてしまったりして、こちらも有力なのが伝わります。
ですが、あくまで予想される説だけであって、実際は謎のままということです。
坊はなぜ湯婆婆と住んでいるの?
坊が湯婆婆と住んでいるのは、湯婆婆の息子だからに他なりません。
なので坊の部屋は、欲しいと駄々をこねて手に入れた、ぬいぐるみやおもちゃがたくさんあり、とても裕福で豪華な部屋となっています。
ですから生活もさぞかし自由で王様みたいなのだろうなと思いますよね。
でも実際は、「外は病気になる怖いばい菌だらけ」と嘘を吹き込まれて、外に出たこともないような生活ぶりなのです。
ただ湯婆婆が子離れできないため、坊に自由を与えず管理して、自分の手元に住まわせているというだけなのです。
溺愛するがあまり過保護になっているなんて、度合いは違えど、人間と同じようなところがあって、ドキッとさせられます。
またもう一つ、先ほどとリンクしたもので、もし父親が外の世界の者だった場合には、坊を外に出さない湯婆婆の複雑な気持ちがあります。
それは、自分を置き去りにしたその男のトラウマのため、坊も外を知ればどこかに行ってしまうという不信感があるからというものです。
どちらかか、両方ともが理由なのかははっきりはしませんが、どのみち、歪んだ愛情の形が、坊と湯婆婆の生活となっているのですね。
まとめ
とある場面で、「呪いを解けば」と坊について湯婆婆がつぶやくところがあります。
そこから察するに、もしかしたら、実は坊も名前を奪われて、何年もの間ずっと赤ちゃんの姿にさせられているのではと想像できます。そもそも湯婆婆は、名前を奪って支配する魔女ですからね。
でも、そう考えると、しっくりくるところが多いことにも驚きます。
例えば、湯婆婆と坊との年の差問題も、姿が赤ちゃんなだけだから、実はそこまで離れていないことになりますし、体が湯婆婆より俄然大きいことも納得です。
しかも、頭の中は大人ということですから、赤ちゃんのままでいると湯婆婆が喜ぶということを分かって、赤ちゃん言葉しか発しないとも読み取ることができます。
そうなると、更に、湯婆婆の歪んだ愛情というのが浮き彫りになって、ホラーな要素も出てきてしますのですが。坊の存在というのは、調べれば調べるほど、ますます面白いものとなりました。
その秘密は、セリフや状況から読み取るだけで、正解は実際のところ分かりません。
けれど、だからこそ余計に、自分の取り方次第でいろいろ想定できて、見れば見るほどより深みを増していく気がします。
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