油屋で働いている少女で、14歳くらいというリン。
個人的には、千尋の面倒をみている雰囲気からして、25・6歳かと思うほど、さっぱりとした姉御肌タイプの子です。
湯婆婆に怯むことなく、油屋で働くことを認めさせた千尋の度胸と勇気を買って、油屋での仕事などを親身に教え、支えてくれたりするのです。
そして、千尋と同じくリン自身も、いつかは油屋を出て、海の向こうの街に行くことが夢で、湯婆婆には反骨心を抱いているのです。
そんなリンは、荒っぽい口調にも関わらず、好感度抜群なんです。人を引きつける、どんな魅力があるのか、迫ってみました。
リンはなぜ自分のことを「俺」というの?
リンの自分表現は、「俺」や「アタイ」といった男前な口調をしますが、こういう女性は「俺女」といいます。
自分の個性やキャラクター性を強調したり、男性的なイメージを植えることで、逆に女性であることを強調しているとも言われています。
リンの場合だと、後者は考えにくいので前者の、自分の個性の強調だと思われます。
また、個人的な見解として、ちょっと粗雑さをウリにしているリンなので、「ワタシ」という言葉に恥ずかしさもあるのかなとも思います。
まして14歳なら年頃ですから、何かと感受性も豊かでしょうからね。
とはいえ、リンがもし田舎の出身という設定だとしたら、方言として「オレ」と言っている可能性もあります。
海の向こうの街に行きたいと思ってることからも、あながちないわけではない話です。
リンは宮崎駿もお気に入り⁉︎みんなから好かれる理由は?
そんな、ぶっきら棒で荒っぽい口調のリンですが、最初にも言ったとおり好感度抜群で好かれています。
そこには、まず、リンの面倒見の良さが伝わってくることが理由のひとつに含まれていると思われます。
姉のように優しく、温かく見守ったり、時には厳しくも的確な指示を出すなど、メリハリ、ツンデレ、飴と鞭が上手で相手をちゃんと見ていてくれていることが分かります。
しかも口調とは裏腹の、相手を思いやる気持ちが端々に見え隠れしていることなんかも、面倒見の良さを際立たせる要素ともなっています。
それともう一つの理由として、他の者たちと決定的に違うのが、自分の意思をしっかり持っていることです。
湯婆婆にさえ流されない、自分はこうしたいや自分の信じる人はこの人といったことに、迷いが全くありません。
そういった潔さが、頼りがいを感じさせる要素ともなっています。
これらの要素が組み合わさって、みんなからの、好感度に繋がっていると思われます。
それとは別に、宮崎駿監督がリンを気に入っているのは、もともと違うジブリ作品で主人公にしていたからです。
残念ながら、その作品がボツになってしまったため、千尋を助けてくれる重要なポジションをリンに抜擢したようなのです。
つまりリンは監督にとって、それだけ思い入れがあるキャラクターだということですね。
ちなみに、その作品は「煙突描きのリン」というらしいです。
リンの正体は白狐?人間?
油屋で働く者たちには、みな正体があります。例えば、蛙とかナメクジなどです。
リンは女性なので、他の者と一緒ならば、ナメクジとなるのでしょうが、見た目が全く違います。
みんな麻呂みたいな眉なのに、リンは眉がちゃんとありますし、目も切れ長で輪郭も面長で細いです。
そう考えると、リンの正体が他の者と同じナメクジということは無さそうです。
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では何かということですが、有力な説がたくさんあります。
ひとつは、白狐です。
ジブリ公式のムック本にも、リンのデッサン画の上に「白狐」と書いてあることから、この説が出ています。
しかも、お稲荷さんの神社に祀られているのもこの白狐であること。
そしてそもそも、白狐は人間に幸福をもたらし導くものともされており、千尋を助けてくれる姿と被ることも、有力と言われる理由です。
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それと二分するように囁かれているのが、人間であるという説です。
これは、映画のパンフレットのリンのところに、「人間」と書いてあることが発端となっています。
しかも、他のものは、人間を別世界のモノ扱いで接するのに対し、リンは人間である千尋を受け入れていることも、その説を後押ししています。
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それともう一つある説が、イタチだとするもので、根拠は、宮崎駿監督が「リンはイタチが人間に化けたものだ」と言っていたからというものです。
実際、リンを別の作品でヒロインとして生み出した監督が言うことならば、有力といわざるを得ません。
ただ、千と千尋の神隠しの世界観やリンの立ち居振る舞いからすれば、「白狐」の説が一番しっくりくるように感じます。
まとめ
リンという人を分析するだけで、たくさんの情報が溢れてきますが、これも、作者を含めたみんながリンを気に入っているからかもしれませんね。
そういう私も、リンは大好きで、男勝りでサッパリしていて漢気に溢れる感じが、見ていて気持ちがいいです。
多くの方も、リンのスパッと物言う感じに憧れたり、また、頼りがいのあるところなんかは、理想の先輩や上司像として見ているんじゃないかと思います。
リンがヒロインとなるはずだった作品は残念ながら無しになりましたが、千と千尋の神隠しにおいて、それ以上のキャラクターを得たのではないでしょうか。
その成果が、この人気として繁栄されているように思えます。
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