サメといえば、だいたい真っ先に「ジョーズ」をイメージしますよね。
鋭い歯を持っていて凶暴、噛みつかれたらと思うと怖くて近寄りたいとは思わないです。
どやらそれは「ファインディングニモ」の魚界隈でも同じようで、サメトリオの3匹たちは、何とかその悪いイメージを払拭しようと決意します。
「魚は友達、餌じゃない」をスローガンに、「海藻食主義」を貫くべく「魚食断ち」をするのです。
そんな見た目はイカツくて怖いけど、イメージ向上に奮闘するサメトリオに迫ってみました。
サメ⒈ブルース
ニモを探すマーリンたちに出会ったブルースは、マーリンの諸事情を知って号泣するような、相手の気持ちが分かる、とても人情味溢れるいいヤツです。
サメトリオの中でも、リーダー的役割を担っていますが、他の2匹はそういう心優しいブルースを慕っているのかもしれません。
そのブルース、サメの種類はというとホホジロザメで、奇しくも、サメの凶暴的イメージをより濃くさせた「ジョーズ」と同じサメです。
鋭利な歯を持ちギザギザした縁の形は、獲物を食いちぎり易くなっていて、ザ・肉食。
血の匂いを嗅ぎ分けて、弱った魚の有無を察知し狩りにいく習性なんかは、「ジョーズ」のイメージどおりです。
「魚食断ち」しているはずのブルースも例外ではなく、血の匂いを嗅げばやっぱり本能がうずいちゃって、仲間に止められるなんていうこともしばしば。
それでも、イメージ向上の志しが高いブルースは、本能に打ち勝とうと日々奮闘している頑張り屋です。
サメ⒉アンカー
本能が出ちゃったブルースを抑えにいってくれるのは、シュモクザメこと別名ハンマーヘッドシャークのアンカーです。
フカヒレの材料となり、一部絶滅危惧種ともなっているこのサメは、左右に張り出た頭部の形から、シュモクやハンマーヘッドと名付けられています。
そのアンカーも、サメのイメージ向上を一緒に頑張る仲間です。
本能が出ちゃったブルースの事を、「本当はいいヤツなんだ」と周りにフォローして回ったり、父親の顔を知らないと泣くブルースを、抱きしめてあげたり。
なんとも友達思いで、支えようとするけなげさを持ったかわいいヤツです。
ただどういう訳かイルカにだけは対抗心を持っていて、「かわい子ぶってるからイルカは友達じゃない」なんてスネた部分もあったりします。
そんな完璧ないいヤツではないところが、人間味に溢れていて身近に感じられます。
サメ⒊チャム
鼻ピアスのように鼻に釣り針をひっかけている、ちょっとワルな感じのチャムは、高速スピードで泳ぐサメ、アオザメです。
泳ぎに適したこのサメは、体型も水の抵抗を受けにくいようシャープで、ヒレが三日月型になっています。
しかも、毛細血管の熱対換システムで体温を海水より高く保っていられるため、冷たい海でも動きが鈍くなることはありません。
陸でいえば、ブルースのホホジロザメがライオンなら、チャムのアオザメはチーターといった感じでしょうか。
そんなチャムはアンカーと同じくイルカが嫌いで、なおかつ人間も「何でも持っていってしまう」と怒り憎んでいる節があります。
だから、風貌とも相まって、乱暴なイメージでツッパてるように思われがちです。
でも、本当は友達思いなので、アンカーと一緒にブルースのフォローに回るなど、不器用ながらに友達のために行動できるヤツです。
3匹のサメの関係は?
三者三様、みんなそれぞれいい部分悪い部分を持ち合わせながらも、目標であるサメのイメージ向上のために集まった仲間たちです。
成果が出ているかは別としても、お互いに助け合いながら一丸となって目標に取り組んでいるからこそ、諦めずに頑張れているようです。
というのも、まず始めた海藻食主義だって一匹で取り組んでいたら、本能が蘇り魚を食べちゃった時に心が折れて、あっさりいつものサメに戻っていたはず。
でも、そんな時に真っ先に止めに入ってくれたり、本当はいいヤツなんだと周りに説明しにまわってくれる仲間がいるからこそ続けられているのです。
しかも、努力の成果を発表する場を作って反省会をしたり、お互いに切磋琢磨しあって工夫をしながら努力しあっています。
つまり、誰かが言うから従うとかではなく、対等な形で力を合わせ、悪い部分を補いながら助け合える仲間ということです。
これは、目標の成功どうこうという以前に、生涯の仲間といえるトリオですね。
まとめ
「魚は友達、エサじゃない」のスローガンはあるものの、ブルースは本能出ちゃって噛みつきにいこうとしちゃうし。
夜中に潜水艦で反省会をしても、チャムは我慢できなくて口から魚の骨が出ちゃってるし。
いつもみんなのフォローに徹しているアンカーだって、いつ何時本能が出るかと思うと、サメのイメージ向上は夢のまた夢となりそうです。
でも、それさえなければマーリンやドリーの良き理解者で、相手の気持ちを汲み取れる優しい良いヤツらです。
海藻食主義は叶っていないけれど、十分「ジョーズ」の悪いイメージは挽回できているように思えます。
こんな微笑ましいトリオなら、応援していたくなりますね。
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