千尋とは、とても良い関係性で、信頼も確実につみあげていくハクですが、いつも影があり、何かを背負っている感じがします。
そもそも、ハクは、ある日突然油屋に現れていて、釜爺が止めるのも聞かず、湯婆婆の弟子となったのでした。
悪い人ではないはずのハクが、なぜ湯婆婆の手先になんかになったのか、そしてどんな仕事をどんな思いでしていたのか、ハクという人について探ってみたいと思います。
ハクが油屋でしていたヤバい仕事とは?
ハクの油屋での仕事は主に、油屋の経営管理や不審者のチェック、湯婆婆の身の回りの世話です。
そこまでは、弟子なら誰でも行う内容なのですが、あの湯婆婆がそれだけで済ませるわけもなく。
結局のところ、ハクを自分の手先としていいように使って、油屋で働いている者たちを全員奴隷にしてしまいたいという思惑があるのです。
そうすれば、全てを支配でき、何でも自分の思う通りにすることができるという、長年の念願を達成できるからです。
そしてそのためには、銭婆が持っている、労働者契約を変える力のある印鑑が必要で、それを手に入れてくるようハクに命じるのです。
ハクも本来であれば、きっと断るような内容の仕事なのに、これを引き受け湯婆婆の命令の通りに行動してしまいます。
ですから、ハクが行ったヤバい仕事は、銭婆から印鑑を盗むという仕事です。
ハクの中にいた黒い虫は何者?
ハクの中にいた黒い虫は、湯婆婆が仕掛けていたもので、「タタリ虫」と言います。
そもそもあのハクが、なぜ湯婆婆の言いなりに従ったのか不思議だったはずですが、
実は、湯婆婆がその小さな尺取り虫みたいな「タタリ虫」を、ハクの体の中に忍ばせておいたためでした。
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それを仕掛けておくことで、湯婆婆は、ハクを思い通りに操ることができ、裏切られたりすることなく、目的を達成できるというわけです。
ちなみに、その後「タタリ虫」は、傷ついたハクを心配した千尋が、ニガ団子を食べさせたことで体内から吐き出され、湯婆婆の呪いから逃れることができています。
「タタリ虫」の効力恐るべしです。
ハクはなぜ湯婆婆の言いなりになっていたの?
それにしても、ハクは湯婆婆の弟子なんかになりなぜ言いうことを聞いていたのかというと、名前を奪われ支配されていたからに他なりません。
他の従業員たちは偽名で契約していたり、千尋でさえ偶然とはいえ「萩」の字を間違えていたりしたため、湯婆婆の完全な言いなりにはなっていませんでした。
ですが、ハクは正式な名前を湯婆婆に書いてしまっていたため、完全に言いなりになっただけでなく、自分が何者なのかも忘れてしまっていたのです。
ですから、ハクは、忘れてしまった自分の正体を知るチャンスをうかがうために、釜爺の制止も聞かず、湯婆婆の近くに入り込んだものと読み取れます。
https://batque.com/feature/217
まとめ
もとは、コハク川が埋立地となり、姿カタチがなくなってしまったことで、その川の神であるハクが油屋に来て、名前も取り上げられてしまったことで始まっていたようです。
ちょうどバブル後の大きな変化の時代ですから、これは、環境問題に対するメッセージも込められているのかなと感じる部分もありましたが。
ともあれ、最後は名前も思い出し、記憶も取り戻せたことで、コハク川の神としての威厳を取り戻せていたように感じます。
そして、千尋の家の傍の川の守り神となれていたようですが、これは、あのニガ団子の河の神のはからいなのではないかなとも思いを巡らせています。
色々、関係性を考えていくと、全てが繋がっているようで、眠れなくなってしまいそうです。
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