「耳をすませば」の天沢聖司といえば、主人公の月島雫と淡い恋をするお相手ですね。
爽やかなルックスで優等生という、一見モテモテのイメージですがその実、同級生でさえもとっつきにくいと思うほどの硬派タイプ男子なんです。
まだ中学生だけど将来の夢がしっかりあって、イタリア留学まで考えてたりするところは意思の強さも感じます。
そんな天沢聖司を演じた声優さんは、当時まだ無名の子役だった14歳の高橋一生さんです。
子役時代があったことも驚きでしたが、天沢くんの声優をされてたことは発見でした。
そこで、声優として選ばれた経緯を考えつつ、声の変化やキャラクターとの比較もしてみました。
高橋一生が天沢聖司の声優当時の声と現在の声を比較してみた!
天沢聖司役をした時点と現在では、子どもと大人ですから声が全く違うのも不思議はありません。
特に男性は声変わりで大きく変化しますから、印象も変わってきますよね。
こちらが天沢聖司役をしていた声変わり前の高橋一生さんの声です。
高橋一生さんの場合、聖司役の頃は爽やかでかわいくて癒される声だとみなさん感じていたようで。
きっと、イメージしていた天沢聖司の声とぴったりで、しっくりくるところがあったのでしょうね。
そして、大人になった一生さんの声は、落ち着きのある低めの色気を感じる素敵な声になりました。
一生さんの魅力を引き立てる要素のひとつでもあって、子どものときとはまた違った男らしさも感じますよね。
でも、聖司のとあるセリフが、大人になった今の一生さんが感じられるともっぱらの噂なんです。
もちろん、同一人物なので一緒と言われればそうですが、逆に、この頃から一生さんなんだなと妙に納得する部分でもあります。
それが、学校に本を忘れて雫がひき返した時に交わす聖司との会話の中にあるんです。
「ほらよ、月島雫」「名前、どうして?」この後の「さて、どうしてでしょう?」この部分です。
目を閉じてイメージすると、一瞬、一生さんが横切るようなそんな感覚です。
ちょっとSっ気があってクールな雰囲気…なんだか高橋一生さんのイメージと似ている気がするのは私だけでしょうか…!?
実はそこにもひとつ驚きのエピソードがあって、それを知ると、だから大人になった一生さんを感じるのかもなと腑に落ちるような気がします。
そのエピソードとは、この天沢聖司役の収録が終わって一週間後くらいから、一生さんは声変わりが始まったということです。
凄すぎるタイミングですよね、役どころが終わったら声変わりしてしまうなんて。
間違いなく周囲も驚いたでしょうが、誰よりも本人が一番びっくりだったのではないでしょうか。
声変わり直前の貴重な一生さんの声を使った天沢聖司の声というのは、とてもレアなキャラクターになりますね。
天沢聖司と高橋一生のスペックを比較してみた!
絶妙なタイミングで出会ったと言える聖司と一生さんには、妙に共通している部分が多いんです。
と言っても14歳当時の一生さんとではなく、大人になった現在の一生さんとです。
そのひとつには、どことなく似ているそのルックスも入っています。
どちらもイケメンですから、その要素が二人には備わってるからかもしれませんけれど、シュッとした顔立ちや雰囲気がよく似ています。
それから聖司といえばバイオリン職人を目指していますが、みんなと音楽のセッションをした時は楽しそうにバイオリンを弾いていますよね。
この場面での聖司の雰囲気は印象的ですが、それを彷彿とさせるかのような場面が一生さん出演の「カルテット」で出てくるのです。
お話としては全く関係はありませんが、一生さんがヴィオラを弾く姿と聖司のこの場面が重なってしまうのです。
また、一生さんの趣味は自転車だということなのですが、そんな部分も聖司が雫を乗せてチャリンコを走らせる姿とダブってしまいます。
そういう感覚で見ていくと、役作りをしっかりするために台本を読み込んできたという一生さんのひたむきさと聖司のバイオリン職人への一途ささえも共通しているように感じます。
しかも、どちらかが寄せていったわけではなく偶然の共通点が多く、だからこそ余計に一生さんの青春時代っみたいと感じる人も多いようです。
とは言っても子役時代は、ほんわかして垢抜けない印象なので、聖司のような雰囲気とはまた違った雰囲気なんですけどね。
聖司の声優が、あまりにもハマっていたということの証でもあるのでしょうか。
高橋一生が天沢聖司役に選ばれた経緯は?
一生さんを声優に選んだとき、後に聖司とここまで似かよるとは想像もしていなかったでしょうが。
その経緯においては、いくつかの方向性を満たせるかが鍵となっていたようです。
まずそもそもジブリ自体が、プロの声優さんは多用せずに自然で素朴な発音を好む傾向があります。
それが、ジブリの求めるリアル感に繋がるからで、天沢聖司という役どころにもそのリアル感が必要であったと思われます。
ですから、声優としては素人であることが前提となったようです。
そして、近藤監督の意向として二つ、日常的な芝居が普通にできることと、実年齢が持つ空気感と存在感を大事にすることというポイントがあったようです。
となると、年齢的なある程度の縛りがある中で、更にお芝居のクオリティやナチュラル感も持ち合わせていることが大切だったと思われます。
そんな中、一生さんは実はジブリ作品の「おもひでぽろぽろ」に少しだけ出演された経験がありました。
といっても、「びっくりしたなあ〜もう」といっておどけるだけの、ちょいぽっちゃり小学生の役どころですが。
もしかしたらその声が、決定打となったのかもしれませんね。
聖司のイメージ、ジブリのリアル感、年齢が出せる存在感にナチュラルな芝居。
そこにヒットする声が、14歳だった当時の高橋一生さんの声だったということです。
まとめ
高橋一生さんが天沢聖司の声優に選ばれた経緯には、ジブリ特有の方向性や監督の意向がある中で大抜擢された役柄でした。
本人的にも、どうこの役と向き合うかということは重要だったようで、しっかり台本を読み込んでから望んでいたようです。
とはいえ、さすが人気俳優にまでなるだけあって、見事この役どころをイメージ通りむしろそれ以上にやってのけたわけです。
だからこそ、今見ていても天沢聖司と似ているところや共通点があったりと、何か通じる部分を感じてしまいます。
実在しない天沢聖司だけど、もし現実に飛び出してきたらきっとこんな感じというのが高橋一生さんだと、良い意味で錯覚してしまうところもあります。
声変わりという、自分では決められない体調の変化でさえも味方につけたといえるこの配役。
高橋一生さんになったことは、なるべくしてなった事だったとも感じつつ、ジブリの先見の妙ありともいえる気がしてしまいますね。
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