田舎町でのんびりと、そして両親の愛情をたっぷり受けて育ったキキ。
魔女の掟に従って、13歳になったことを機に修行を積むため親元を離れます。
育った町とは違う大都会のコリコの街と、相棒のジジ以外は親も知り合いも友達もいない環境。
期待と不安の中、懸命に生活し成長していくキキの姿が描かれています。
原作では、その巣立ちのところから自分が家族を作り生活していくところまでの人生の機微を、長編で時間を追うように描いています。
ジブリ映画では、巣立ちからさまざまな出会い、思春期にかかえる葛藤や成長にフォーカスして描いています。
その主人公キキですが、性格が悪いという噂があるようなのです。
ジブリ版を中心に原作のことも、キキの行動や態度、本当の性格などに注目しつつ検証してみます。
キキの性格が悪いという声が多数!
本来明るくて素直で、ちょっとおてんばというキャラクターのはずのキキ。
でも性格が悪いと写ってしまう部分があるようで、そんな意見が多数あがっていました。
例えば、気が強いところがあるとか、お店での接客態度が良くないとか。
それから、ツンとした態度や、トンボに対する対応が冷たいとか。
全体的に、何かこう常にイライラしてるような感じというか、とっつきにくいような感じが悪い印象になってしまっているようです。
たしかに、修行に出る前の頃は、本来のキャラクター通りもしくはそれ以上に子どもっぽくウザいくらい明るい子に見えていました。
でも、コリコに来て少し経つと、内にこもるような感じで自分の気持ちを素直に表せていないところがあるように見えます。
たぶんそんなキキの態度が悪い印象に繋がっているようですね。
性格でも変わってしまったのでしょうか。
キキは性格が悪いと言われる理由は?
キキの性格が悪いと言われるのは、本来の性格が変わってしまったわけではなく、思春期特有の感情表現が原因となっているようです。
特にトンボに対する態度は冷たくて、たしかに話しかける余地も与えないという感じです。
しかも、急に怒ったりイライラしてる感じなどは、とても感情をコントロールできているようには見えません。
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同年代の子と自分を比べて、嫉妬したり劣等感を抱いて内にこもってしまったり、どうしたいんだろうかと思ってしまいます。
そうやって見てみると、悪いところが印象に残るせいか、たしかに性格悪いと言われてしまうのも納得です。
メインで描かれたコリコの街での出来事で、どんどんそんな調子になっていくので、余計良かったときの印象が薄くなったとも思われます。
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でも、そんな自分の態度や気持ちの不安定さに、キキ自身も戸惑っている様子です。
「あたしってどうかしてる?」「せっかく友達ができたのに急に憎らしくなっちゃうの」とジジに呟いています。
どうやら、その性格が悪いと思われるような行動自体が、キキにも制御のきかない感情や葛藤のようです。
そのくらいの歳の頃はピリピリしていて、自分でも、そんなつもりじゃないのにと思うような態度をしてしまったりするものです。
本来持っている性格とは違うのですが、これもまた性格の一面と取ることもできます。
つまり、キキもいい子ちゃんだけなのではなく、もっと複雑な人間だと言えますね。
キキってどんな性格なの?
コリコの街に来てから、キキ自身も自分がどうかしちゃったのかと不安がっているように、本当の性格とは別なようです。
本来は、好奇心旺盛で活発で頑張り屋さんというのがもともとのキキが持っている素質です。
魔女修行に出発するときも、思い切りよく決断し行動していきますし、新しい出来事や出会いにワクワクしていましたね。
それから、コリコに着いてすぐの頃もどうやってみんなに馴染もうか、宅急便という仕事を頑張ってみようとか、前向きに考えている様子でキラキラして見えていました。
また、なかなか伝えられないような父親に甘えたい気持ちを、率直に言える素直さもあったりして、オープンで前向きな様子が感じとれたりします。
でもこれらも悪く言えば、自己中心的でわがままだともいうことができちゃうのですが。
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とにかく、トンボに対する態度や同年代に対する感情といった、いわゆる思春期の情緒というものとは違うキキがそこにはいます。
それから、困っている人を放っておけないという優しさもありましたね。
おソノさんのお店の忘れ物を届けに行ったり、ニシンのパイを焼き上げる手伝いをしたり。
トンボの飛行船での窮地だって、必死に駆けつけました。
そういったときに見せる行動力は、見習うべきところがあるなと感心してしまいます。
さっきも言ったようにキキも人間ですから、複雑で良い面だけではありません。
でも、ひねくれていて他人を寄せ付けないような性格ではないというのは確かなようです。
キキは原作の方が性格が悪いらしい⁉
原作のキキの方が性格が悪いという見方があるようですが、そもそもの性格としてジブリ版のキキより活発でおてんばという表現がピッタリなようです。
しかも不器用な感じがより強調されていて、13歳から30歳という長い期間を描いているけれど、いくつになっても子どもっぽさが抜けない女の子という印象です。
それが特に分かるシーンが、何かと突っかかってくるケケから受けるイライラを受け流せず、八つ当たりしたり地面を蹴飛ばしたりするところです。
ジブリ版のキキだって、ニシンのパイの件で届け先の孫娘さんにチクチク言われても、落ち込みはしたけど地面を蹴飛ばしたりはしてないですものね。
大人っぽく見える人って何か言われたりしても一旦受け流したり相手にしなかったり、もしくは相手の真意を読んだりとすぐに間に受けたりしないものです。
ジブリ版のキキがそれをできていたわけではないのですが、原作のキキの方がすぐ反応するような印象ですね。
おそらくそういった部分が、性格が悪いという見方が出てくる理由なのでしょう。
でも、これもある意味個性と呼べる範囲内で、根本からひねくれたような嫌なヤツということではないようです。
まとめ
そもそもキキの性格が悪いかというと、原作版もジブリ版も根本からひねくれた嫌われ者のような性格ではありません。
どちらも、明るくて活発で素直というのがキキです。
その中で、感情がおもてに出やすくある意味自分に素直なキキを描いたのが原作で、青春時代という特別な期間のキキの心の動きを描いたのがジブリ版ということです。
時には、なんでそんな態度をするんだと、性格悪いなと受け取られてしまうような言動もあります。
でも性格が悪いからというよりも、キャラクター性のひとつという感じです。
ぶっちゃけ、ジブリ版の方ならトンボの当初のしつこさは、キキが変な人扱いしても仕方ないような気もしますし。
原作版のケケの言い方や、トンボのちゃらんぽらんっぷりに、キキがイラっとしてしまうのも分かるような気もします。
とはいえ、そんな風に客観的に見ていられるのも、自分が歳を重ねたからかもしれません。
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