ディズニーピクサー映画で、2018年3月に日本で公開された「リメンバー・ミー」。
第90回アカデミー賞で長編アニメーション賞・歌曲賞の2部門を受賞し、ゴールデン・グローブ賞で作品賞(アニメーション)に、アニー賞では最多11部門に輝いたという素晴らしい作品です。
そんな「リメンバー・ミー」の意味は直訳すると、「私を忘れないで」なのですが、調べていくと深ーい意味があったんです。
という事で今回は、映画「リメンバー・ミー」に込められた意味についてまとめました。
映画「リメンバー・ミー」の2つの意味とは
映画のタイトル「リメンバーミー」に込められた意味は2つあると言われています。
その2つとは…
- 死者の国でヘクターが消滅しないための「私を忘れないで」という意味
- 生前のヘクターが娘のCOCOに覚えていて欲しい、会いたいという思いからの「私を忘れないで」という意味
1つずつ意味を確認していきましょう!
死者の国でヘクターが消滅しないための「私を忘れないで」という意味
ストーリーの中で、死者の国にいる者は現世の人に忘れられてしまうと消滅してしまう「第二の死」というものを迎えてしまいます。
ヘクターは、自分の孫であるココが自分を忘れてしまうと消滅してしまいます。
そしてそのココは認知症を患い、ヘクターのことを忘れかけてしまっていました。
そんなココの記憶を呼び戻すために、主人公のミゲル(ココのひ孫)とヘクターが死者の国と生者の国を奔走していくというストーリーが、「リメンバー・ミー」の内容となっています。
そういった意味でのタイトル「リメンバー・ミー」(私を忘れないで・思い出して)なんです!
生前のヘクターが娘のココに覚えていて欲しいという思いからの「私を忘れないで」という意味
生前ヘクターは娘のココに「リメンバー・ミー」という歌を送っています。
その理由は、自身の歌手になるという夢のために家族を捨てて家を出てしまったことを後悔したからです。
歌の中にはこんな歌詞があります。
“Remember me, though I have to say goodbye”(もうお別れだけど、ボクのことを忘れないでね)
“Remember me, each time you hear a sad guitar”(悲しいギターを聞くたびに、ボクのことを思い出してね)
“So, until you’re in my arms again remember me”(だからボクが君を再び抱きしめるときまで、ボクのことを忘れないでね)
ひねくれている私からすると、自分から出ていったくせにちょっと自分勝手じゃない!?なんて思っちゃいますが…w
結局ヘクターとココは、この後会うことなくヘクターが亡くなってしまうのがまた悲しい展開なんですよね…
最終的にココの記憶を呼び起こす事になったのが、「リメンバーミー」というヘクターから生前送られた歌でした。
ヘクターがココ送った「リメンバー・ミー」は、ココにとってもかなり特別な歌だったことが分かりますよね!
こんなわけで、「リメンバー・ミー」には上の2つの意味が隠されているということです。
映画「リメンバー・ミー」とメキシコとのつながりとは?
「リメンバー・ミー」はメキシコで行われている「死者の日」という、一年に一度亡くなった人が戻ってくると言われる祝日がテーマとなっています。
実際に「リメンバー・ミー」の舞台もメキシコになっています。
映画「リメンバー・ミー」はこの死者の日を元に、家族の絆を私達にうったえてくれているんです。
「リメンバー・ミー」の監督であるアンクリッチ監督は、このように話しています。
「もしご先祖に会う機会があったらどうだろうか? もし人生で会う機会がなかったひいひいおじいちゃんに会えるとしたら? 彼らは自分と何か似ているところはあるだろうか? と本作で掘り下げてみるのにとても興味深いと思ったんだ」
「ご先祖様を敬うことの大切さは普遍的なテーマだ。誰もが共感できると思う。それに映画がまとまってくるにつれてピクサーで作られたどの作品とも違うものだと気付いた。ユーモアに溢れているけれど、可笑しくて、エモーショナルで、観客を泣かせる映画になっている。このスト―リーやテーマはそういった可能性があると感じたんだよ」
「死者の日」と聞くと一間怖い印象を受けますが、実際のメキシコの「死者の日」は楽しく過ごすことが一般的で、街中でバンドが音楽を奏でたり屋台で賑わったりと、お祭り感覚で楽しむ日となっているのだそうです。
「死ぬことは怖くない」という意味を込めているのだそうです。
仮装もしてなんだかハロウィンのような!?マリーゴールドの花とロウソクでの飾り付けが、神秘的で美しいです!
「死」=「怖い」という印象ではなく、先祖を敬う、家族というものについて改めて考えるような日になっているんですよね。
「リメンバー・ミー」の映画の中でも、「死者の日」は実際のメキシコのように街中がマリーゴールドの花でいっぱいに彩られたり、家や街中にある「アルタール」と呼ばれる祭壇を綺麗に装飾したりします。
暗い世界にオレンジの鮮やかなマリーゴールドの花が、とても美しい世界観を作っていますよね!
『Coco』ではなく『リメンバー・ミー』とされた理由は?
もともとアメリカなど海外では映画のタイトルを、ストーリーの鍵を握る人物やヒロインの名前とすることが多いです。
そのため今回の映画も「Coco」となっていたようです。
それが日本版で「リメンバー・ミー」と変更されたのは、日本人にわかりやすいタイトル、タイトルでなんとなく内容がイメージできるようなものに変わったのだろうとされています。
確かに日本で鍵を握る人物がタイトルになることってあまりないですよね。
「Coco」よりも「リメンバー・ミー」の方がなんとなく映画の内容もイメージしやすい!
原題の『Coco』はもちろん、主人公ミゲルのお婆ちゃんの名前“ココ”からきています。
一方、日本版のタイトル『リメンバー・ミー』は、劇中で伝説の歌手デラクルスが歌う、ミゲルが大好きな楽曲「リメンバー・ミー」から採用されました。
アンクリッチ監督はこのように話しています。
「日本でのタイトルは『リメンバー・ミー』。なぜなら、それは作品の重要なテーマだからだよ」
「本作は、すでに亡くなって、もう僕たちのそばにいない人たちを“覚えている”がすごく重要だということを描いているんだ。家族を覚えておくということだけではなくて、亡くなったご先祖の話を後の世代へ伝えていくことを通して、彼らの思い出を生かし続けるというこの作品のテーマが、日本のタイトルに込められているよ」
「祖先をずっと忘れずに大切にし続けること、敬意を持つこと、そして後の世へ語り伝えていくこと」を大切にしたいというメッセージがこもった作品なんですね。
私達が普段生活している中では忘れがちな、けれど大切なことを思い出させてくれるようなストーリ。
その題名となる「リメンバー・ミー」の意味はとても深いのだと感じさせられます。
まとめ
映画「リメンバー・ミー」の題名の意味や、メキシコの「死者の日」とのつながりをまとめました。
「リメンバー・ミー」には2つの意味がありました。
- 死者の国でヘクターが消滅しないための「私を忘れないで」という意味
- 生前のヘクターが娘のCOCOに覚えていて欲しい、会いたいという思いからの「私を忘れないで」という意味
そしてメキシコの「死者の日」を元に作られた作品で、祖先を忘れない、大切に語り継いでいくという思いが詰まっているということが分かりました。
奥が深い、考えさせられるような作品ですね!
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