大けがを負ったハクを助けるため、千尋はカオナシと共に銭婆のいる「沼の底」へ向かいます。
そこへは、「行き」しか存在しないといわれる電車で、向かうことになるのですが、とても不気味な電車です。
というのも、身体が真っ黒で透けている影のような人間たちが乗り込んでくるからです。
そんな中、最初についた「沼原」の駅で、ホームからこの電車をじっと見ているひとりの少女が描かれています。
その子も、電車の者たちと同じく体が黒いため、顔こそ分かりませんが、おかっぱ頭でスカートをはいた12・3歳くらいの女の子です。
実はそれが、「火垂るの墓」に出てくる「節子」なのではと、噂になっているので、「千と千尋の神隠し」を深掘りする一つとして検証してみました。
千と千尋の駅で待つ女の子は本当に節子なの?
顔が黒く透けているため、結局のところ、状況からの判断となりますが、この子は節子ではないという見解が多いです。
そもそも節子は、まだずんぐりむっくりで、小さな子ども感が全面に出ているのですが、ここで登場する子は、スラっとして大人な感じです。
身長も違うようですし、服装も節子はモンペだったのにこちらはスカートですから、全く違う人物ということになったようです。
https://togetter.com/li/333451
とはいえ、節子の後を追うように、栄養失調で亡くなった兄の清太は駅舎で息絶えています。
だから、節子は兄が来るのを、ホームで待っているという説も、捨てがたいところではあります。
ただしその場合は、節子が成長してもまだ、兄と会えずにいることにもなってしまうので、あまり推したくない説ではあります。
https://golden-zipangu.jp/japan-hotaru1027
女の子はメイ説もあった
駅の女の子は節子説の裏で、密かに囁かれていたのが、その女の子は「となりのトトロ」の「メイ」ちゃん説というものです。
https://togetter.com/li/333451
というのも、トトロの話の中でメイちゃんが行方不明になりますが、その時点で実はメイちゃんは亡くなっていて、その霊が今回描かれたとするものです。
ですが、こちらも節子と同じように、背格好があまりにも違うことや、服装も似てはいるけれど違うことから、メイちゃんではないという見解の方が多いようです。
また背格好や雰囲気から感じる年齢などから、メイのお姉ちゃんの「サツキ」ではないかとするものもあるようです。
そして、猫バスとこの電車とを結びつけるような見解も加えてあるのですが、これはトトロの世界も死後の世界だという前提があってこそのものといえるようです。
そもそもそこも賛否があるので、サツキ説も可能性は低いように思えます。
http://blog.livedoor.jp/std2g/archives/19314988.html
海原電鉄はあの世とこの世をつなげる電車だった
この電車の様子や乗ってくる人々、そこから出る仮説などからも分かるとおり、海原電鉄はこの世とあの世を繋ぐものだと捉えることができます。
黒く半透明な人間は、あの世に逝く死者ということ、そして電車が「行き」の一方通行なのは「逝き」という事と絡めていると捉えることができるからです。
更に、この「千と千尋の神隠し」自体も、死後の世界を描いているとも言われていることで、よりそういった捉え方が取り沙汰されています。
https://matome.naver.jp/odai/2143783218237612301/2143784884045552903
ただし、あくまで状況からみる見解なだけで、確証までを得るものではありません。
一つはっきりしているのは、電車のモチーフは小田急電鉄や相模鉄道で、モデルとなった路線は名古屋鉄道の常滑線だという事です。
http://js3vxw.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/3000sse-up-64aa.html
しかも、海の中を走っているように作られているのは、伊勢湾台風で常滑線が浸水した時、実際に同じように見えたからです。
幻想的とも取れる電車の風景は、宮崎駿監督が目にした光景に由来しているということです。
https://togetter.com/li/728231
まとめ
ここまで、あの世だとか節子の霊だとか噂になったのには、もとは、「清太と節子の幽霊を登場させる」という高畑勲監督の言葉があったからのようです。
そして、その言葉があったにも関わらず、火垂るの墓においてそれらしいシーンがなかった事で、他の作品に出てくるのではという憶測がとんだのです。
そこで出てきたのが、千と千尋における顔の分からない少女で、しかも駅のホームで電車もあの世行きとなれば、あれが節子だとなった訳です。
でも実は地上波で放送していないのですが、本編のラストシーンではこの2人が霊となって登場していたのです。
それを知らない世代が、宮崎駿監督と高畑監督との関係も考えて、千と千尋に出ていてもおかしくないという想定からたどり着いた噂だったようです。
しかも、千と千尋は回収しきれていない話の伏線がたくさんあるらしいですから、イマジネーションも膨らんでしまうというわけです。
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