せっかく夢のマイホームを建てても、よくあるシロアリ被害なんかにあったら…と考えると、早めに対策をしておきたいと考えますよね。
新築の家をできるだけ長くきれいな状態で保ちたいと思うと、建てた直後にできるだけ対策をしておきたいものです。
そう考えたときにシロアリ対策って自分でできるのでしょうか。
ということで自分でできる簡単なシロアリ対策や、業者との価格の比較、メリットデメリットを調査しまとめました。
新築時のシロアリ対策①木材やダンボールを放置しない
シロアリ対策で最も簡単なのは、「木材やダンボールを放置しない」ことです。
ではなぜ木材やダンボールを放置するとシロアリ被害に遭うのでしょうか。
シロアリは木材を食べる
シロアリの主食は「木材」で、シロアリが家を食べると言われているのは、柱などの木材を食べているのです。
木材を食べるといっても、「生きている木」は食べず、自然界で枯れた木、木材利用として人が伐採した木、伐採後の切株などを食べます。
主要な柱が木材でできている木造住宅では、被害に遭うと柱がスカスカになり耐震性にモロに影響するため、シロアリ対策は必須です。
木の種類によって多少の好き嫌いがあり、ヒバ、ヒノキ、スギ等は比較的シロアリが寄り付きにくいとされており、アカマツ、ベイツガ等はシロアリが好んで食べるようです。
ただし、比べると多少変化があるという程度で、「ヒノキの家はシロアリ被害に遭わない」訳ではなく、「アカマツの家が被害によく遭う」なんて事もありません。
木材の種類はあくまで参考程度で、柱に施した防蟻処理(ぼうぎしょり)や、日々の対策の方がはるかに重要です。
買ってきた木材に潜んでいることもある
家の柱だけでなく、バーベキューやDIYなどで買ってきた木材にシロアリがついている可能性もあります。
またダンボールは紙からできており、紙の原料は木材なのでシロアリがいればやはり食べられます。
さらにシロアリは湿気の多い環境を好むため、雨が降って腐ってしまった木材やダンボールはシロアリからするとご馳走に見えてしまうのです。
シロアリは基本的に地面の中を移動しますが、春から夏にかけては羽アリとして飛んでくることもあります。
木材やダンボールを長期間放置していると気付かぬうちにシロアリの被害に遭ってしまいますので、必ず片付けておくようにしましょう。
新築時のシロアリ対策②日当たり風通しを良くする
シロアリ対策②としては、「シロアリの好む環境を作らない」ということです。
シロアリは暗くて湿度の高い場所を好むため、日当たりと風通しを良くすると寄り付きにくくなります。
ですが、お家の中で日当たりと風通しがどうしても良くならないところが2つあります。
シロアリの習性も交えながら1つずつ説明していきます。
お家の床下、基礎部分
風通し、日当りを確保しにくい場所1つ目は、床下、基礎部分です。
当然ながら床下は日光が当たらず、地面から上がってきた湿気と風通しの悪さが合わさり、床下にジメジメした空気が滞留します。
すると、シロアリの好む「暗くて湿度の高い場所」となってしまうという訳です。
そんな床下ですが、お家が建った後に自分たちでできる対策は特になく、各ハウスメーカーの「床下換気」の技術が対策となります。
基礎と土台の間から空気の出入りができる基礎パッキン工法や床下換気扇の設置など、昔と比べると床下換気の技術は格段に向上しており、各ハウスメーカーで様々な工夫がされています。
最近の新築住宅は基礎部分の空気が淀むことなく、地面から上がってきた湿気が溜まりにくくなっています。
お家の北側
風通し、日当りを確保しにくい場所2つ目は、お家の「北側」です。
お家の北側はどうしても日当たりが良くなく、住宅街であればお隣との距離も近くなるため、風通しも悪くなる恐れがあります。
ジメジメしている環境に先述した木材やダンボールなどを長期間放置すると、シロアリの恰好の餌食になります。
お家の北側の対策としては、物を置かずこまめに掃除をする、というのが現実的です。
日当たりや風通しはお家が建ってから変えることは難しいので、こまめに掃除をしてできる限り清潔さを保ちましょう。
シロアリは暗くて湿度の高い場所を好む習性があります。
そもそもシロアリは「アリ」という名前が付いていますが、実は分類上は「ゴキブリ」の仲間なのです!
暗くて湿度の高い環境が好きというのが妙に納得できますね。
逆にシロアリが苦手なものは日光と乾燥です。ゴキブリやカブトムシの様に体を丈夫な外骨格で覆われている訳ではありませんので、乾燥したり日光に当たるとすぐに弱ってしまいます。
なので、普段は太陽光に当たらない地面の中を移動しているのですね。
新築時のシロアリ対策③薬剤を使用する
シロアリ用の薬剤は薬局やホームセンターなどでも多くの種類が売られています。
どれを購入したらいいのか分からないくらい方のために、用途と使い方に分けて説明していきます。
用途は「予防」と「駆除」の2種類
様々な薬剤が販売されていますが、用途は2種類で、
シロアリを寄せ付けなくする「予防」の薬剤と、既にいるシロアリを「駆除」する薬剤の2種類に分けられます。
「予防」をする役割の薬剤にはシロアリが嫌う成分が含まれており、家の周りや床下にまんべんなく塗布することで、シロアリの侵入を未然に防ぐことができます。
ただし、既に被害に遭っているお家に予防用の薬剤を塗布してしまうと、シロアリが逃げてしまい、逃げた先で巣を作ってしまい被害が拡大する恐れがあるので注意が必要です。
既にいるシロアリを「駆除」する役割の薬剤はシロアリの嫌う成分が入っておらず、塗布した薬剤の殺虫成分が体につき、気付かないうちに薬が効いてきて駆除されます。
薬剤を買うときは「予防」か「駆除」か、目的を明確にすることでしっかりとした効果が期待できます。
方法は「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類
シロアリ駆除には大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は「バリア工法」です。
床下や基礎に薬剤を塗布する方法です。スプレータイプや注入タイプ、散布式など様々です。
メリットは、即効性があること、薬剤の持続期間があることなどが挙げられます。
持続期間は最大5年のものもあり、長期間効果を維持できます。
デメリットは、素人では施工が難しいことです。
薬剤塗布が不十分だったりにムラがあると、そこからシロアリが侵入したり、新しい巣を作ることがありますので、注意が必要です。
また、人やペットに影響を与える可能性があるため、こちらも注意が必要です。
2つ目の方法は予防というよりはシロアリ被害にあった後に行うものになりますが、「ベイト工法」というものです。
薬剤の入ったエサを家の周辺に埋め込み、シロアリに食べさせる事で駆除する方法です。
ベイトと呼ばれるエサをステーションにセットし、シロアリを発見した場所や、蟻道と呼ばれるシロアリの通り道付近に穴を掘って埋めます。
そうするとステーション内のベイトをシロアリが巣に持ち帰って巣ごと全滅させてくれるのです。
メリットは、方法が簡単なことと、人間やペットに薬剤の影響が無いということです。
デメリットは、効果が出るまでに時間がかかること、シロアリの種類によっては効果が薄いこと、などが挙げられます。
設置してから1~2ヶ月程様子を見てシロアリがエサを食べていなければ場所を変えて再度様子を見る必要もあるため、完全に駆除したかどうかを判断するのが難しいです。
シロアリ対策を自分で行うと業者に頼むよりいくらお得?
できることなら自分でシロアリ対策を行い、なるべく安く済ませたいですよね。
自分でシロアリ対策を行う場合は、薬剤の他に防護服、マスク、噴霧器などを買いそろえる必要があります。
全て揃えるのに5~10万円ほどかかります。
業者の価格相場は1坪5,000~10,000円と言われており、30坪のお家なら15~30万円ほどかかる計算になります。
値段だけで言うと自分で買いそろえた方が10~20万円安く済みますね。
ただし、自分で対策をするのは少しハードルが高いかもしれません。
暗くて狭い床下の空間で、ライトをつけてシロアリの巣、蟻道を全て見つけられるかといわれるとかなり難しいかと思います。
見逃しがあると施工が不十分となりシロアリを完全に駆除できません。
またどの薬剤をどれだけ散布する必要があるか、という判断が的確にできるかという問題があります。
数年に一度しかしないシロアリ対策で、被害状況を判断し、必要な薬剤を選定、ムラ無く薬剤を散布するというのは素人では難しいと思います。
自分でした方が値段は安いですが、不十分な施工のために効果が無く、シロアリ被害が収まらずに結局業者にお願いすることになると余計に費用が掛かるため、はじめから業者にお願いした方がいいでしょう。
そもそも新築でシロアリ対策は必要なの?
そもそも新築でシロアリ対策は必要なのでしょうか。
結論、必要ありません。
新築の建築時にシロアリの薬剤を散布していますし、木造であれば柱にシロアリの薬剤をしみ込ませてあるので、
住み始めてすぐにはシロアリ対策は必要ないでしょう。
新築の戸建て住宅であれば、ほとんどのハウスメーカーが定期点検でお家の不備をチェックしてくれます。
大体は半年点検、1年点検、2年点検、5年点検、それ以降は5年おきに定期点検があるので、その際にシロアリの被害も確認してもらえれば安心ですね。
シロアリの定期メンテナンスは、はじめは建築から10年後、それ以降は5年ごとに行うのが一般的で、専門業者に薬剤の散布をしてもらいます。
業者にお願いすると料金がかかりますが、ハウスメーカーを通して施工してもらうと保証が付いたりすることもあるので定期メンテナンスは必ず受けるようにしましょう。
まとめ
新築のシロアリ対策ですが、まずは自分でできる簡単なことから始めましょう。
・木材やダンボールを放置しない。
・ジメジメしがちなお家の北側はこまめに掃除する。
・薬剤を使うときは「予防」か「駆除」か、目的を明確にする。
このあたりは自分でもできるシロアリ対策でご紹介しました。
本格的なシロアリ対策は、業者よりも自分でした方が費用を抑えられますが、
巣の見落としや施工ムラがあると効果が無いので、費用が掛かったとしても業者にお願いした方が無難です。
新築時には、薬剤を散布するほどのシロアリ対策は必要なく、定期点検でしっかりとチェックしてもらい、
定期メンテナンスでしっかり対策してもらいましょう。
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